26日の米ニューヨーク外国為替市場で円相場が一時、1ドル=160円80銭台と1986年12月以来、約38年ぶりの円安水準を更新した。米国の利下げ開始までに時間がかかるとの見方から円安が広がった。市場では日本政府の為替介入に対する警戒が高まっている。

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 対ドル円相場は、米東部時間26日午後5時(日本時間27日午前6時)時点では、前日の同時刻より1円17銭円安ドル高の1ドル=160円78~88銭で取引された。円は対ユーロでも下落し、一時、1ユーロ=171円70銭台と過去最安値を約2カ月ぶりに更新した。

 米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)の高官から利下げに消極的と受け取られる発言が相次いだことから、米長期金利が上昇。金利の高いドルを買って円を売る動きが強まった。

 財務省の神田真人財務官が日本時間の26日夜、記者団に円安について「行き過ぎた動きに対しては必要な対応をとる」と述べ、市場を牽制(けんせい)した。だが、効果は限定的で、その後も円安が進んだ。

 前回、160円台をつけた4月29日には、直後に急速に円高が進んだ。政府・日銀による為替介入があったとみられている。この水準を超えて円安が進んでいる。(ニューヨーク=真海喬生)

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