アメリカでは2008年の金融危機を教訓にFRBがストレステストを毎年、実施していて、規模の大きい31の大手金融機関を対象にしたことしの審査の結果が26日公表されました。

今回のテストは前回とほぼ同じく、失業率がピーク時には10%まで上昇し、商業用不動産の価格が40%、住宅価格が36%それぞれ下落するなど深刻な不況を想定しました。

この結果、損失額は合わせて最大6850億ドル、日本円にしておよそ110兆円にのぼりますが、対象の金融機関は企業や家計への融資継続に必要な資本を十分に維持できるとしています。

アメリカでは急速な利上げを受けて去年3月から5月に3つの銀行が破綻し、そのあとも高い金利水準が続いていますが、今回のテストでは銀行経営の健全性が示された形となります。

ただ、クレジットカードのローン残高の大幅な増加と延滞率の上昇、企業向けの融資の焦げ付きなどによって想定の損失額は去年を上回るとしています。

アメリカでは経済が堅調だという見方が大勢を占める中、景気後退を避けながら根強いインフレを収束させられるかが課題となっています。

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