日本酒を製造・販売するスタートアップのWAKAZE(ワカゼ、東京・世田谷)は米国市場で、スパークリング日本酒を投入した。アルコール度数を11%に抑え、さわやかで甘酸っぱい味わいにした。米国人の若年層がハンバーガーなどの食事をしながら手軽に日本酒を楽しめるようにし、市場の裾野を拡大する。
ブランド名は「SummerFall(サマーフォール)」。まず米カリフォルニア州の食料雑貨店でこのほど販売を始めた。容量は1缶236ミリリットル入りで小売価格は6ドル(約900円)に設定した。ワカゼが商品の企画・販売を手掛け、宝ホールディングス(HD)の米国の醸造所が生産を担う。
ワカゼの既存商品は750ミリリットルの瓶入りで価格は30〜40ドルほどだ。「すし店などの飲食店や自宅で特別な日に飲むというイメージが強く、若年層が飲むハードルが高かった」(ワカゼの稲川琢磨社長)という。
缶入りの新商品は容量や価格を抑え、25〜35歳の若年層をターゲットにし、ビーチサイドなどアウトドアでも楽しめる飲料として打ち出す。稲川社長は「年内にはニューヨークなど他の州でも販売し、全米での展開を狙いたい」と語る。
ワカゼは2016年に創業し、19年からパリ近郊の醸造所で日本酒を製造している。23年1月には宝HDと資本提携しており、今回は米国での第1弾の共同商品となる。原料の水と米は現地で調達し、開発に着手してから約1年間で発売に至った。
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