サウジアラムコは低炭素燃料の技術開発などで協力する=ロイター

【テヘラン=福冨隼太郎】サウジアラビアの国有石油会社サウジアラムコは28日、仏自動車大手ルノーと中国の浙江吉利控股集団が設立した内燃機関車のエンジン生産などを手がける合弁会社に、10%を出資すると発表した。出資額は74億ユーロ(約1兆2000億円)。低炭素燃料の技術開発などで協力する。

出資するのはルノーと吉利が5月31日に設立を発表した「ホースパワートレーン」。ハイブリッド車(HV)の駆動装置の開発製造などを手がける。アラムコの出資後もルノーと吉利はそれぞれ45%の株式を保有する。

サウジは世界有数の原油輸出国だが、脱炭素化の進展で化石燃料の需要が長期的に減少すると見越して水素や合成燃料の開発・生産も進めている。

アラムコのアハマド・アルコウェイター上級副社長は発表で「アラムコの投資は低炭素の内燃機関の開発に直接貢献する」と強調した。ルノーのルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は「自動車産業の炭素排出削減は単独では行えない。最高のプレーヤーが力を合わせる必要がある」と指摘した。

ホースパワートレーンは世界各地に17の生産拠点と5つの研究開発(R&D)拠点を持ち、年間150億ユーロの売上高を見込んでいる。ルノー、吉利だけでなく、日産自動車や三菱自動車、吉利傘下のスウェーデンのボルボ・カーなどにも製品を供給する。

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