中之島クロスの開業セレモニーでテープカットする未来医療推進機構の澤理事長(右から4番目)ら(29日、大阪市)

再生医療の産業化を進める大阪市内の新拠点「中之島クロス」が29日、全面開業した。循環器科や眼科などの医療機関のほか、製薬会社や医療機器メーカーなど30社・団体がオフィスを構えた。三井不動産が運営する賃貸ラボ「三井リンクラボ中之島」も入り、スタートアップや大阪大学が入居。相互の連携で実用化を進める。

中之島クロスの運営は大阪府のほかロート製薬や岩谷産業など21の企業、病院が参画する「未来医療推進機構」が担う。

開業セレモニーで、同機構の理事長を務める阪大大学院医学系研究科の澤芳樹特任教授は「(再生医療は)研究開発が進みながらも実用化はなかなか進まなかった。社会実装に向けて、スタートアップ育成を加速する中之島クロスがいよいよ始動する」と挨拶した。

大阪府の吉村洋文知事は「一つ屋根の下に病院、研究機関、スタートアップ、行政、企業が集まって未来医療をつくる。ここに大きな意味がある」と期待した。

京都大学iPS細胞研究財団(京都市)は研究開発施設を設け、患者本人の血液から医療用iPS細胞を安価で製造し提供するプロジェクトを進める。山中伸弥理事長はビデオメッセージで「最適なiPS細胞を良心的な価格で企業に届ける」と意欲を語った。

未来医療推進機構は、再生医療の産業化を目指すスタートアップ向けのポータルサイトを今年秋をめどに開設。市場調査や医薬品・サービスの設計サポートなどを提供する。

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