スティーブン・ヘイズ・デイカス氏

セブン&アイ・ホールディングス(HD)は18日、5月の定時株主総会に諮る取締役候補者を発表した。井阪隆一社長らが続投する一方、後藤克弘副社長は退任する。スティーブン・ヘイズ・デイカス社外取締役が5月28日付で取締役会議長に就くことも同日、発表した。投資ファンドの米バリューアクト・キャピタルはイトーヨーカ堂を含むセブンの一連の対応について賛同する意を表明した。

5月28日の株主総会では井阪社長ら14人の社内外の取締役の再任を諮る。後藤副社長は退任し、新たな取締役候補として脇田珠樹執行役員の昇格の承認を得る。

デイカス氏は株主総会終了後の取締役会で承認を得た上で、取締役会議長に就任する予定だ。ファーストリテイリングや米ウォルマートを経て、同社傘下となった西友のかじ取りを担った経験を持つ。10日に「筆頭独立社外取」に就いたばかりだ。

セブンは現在、井阪氏が取締役会議長を務めるなか、同会議長と最高経営責任者(CEO)の役職を分離することでガバナンス体制の強化を目指す。

23年の株主総会にかけてセブンと経営体制で激しく対立したバリューアクトは18日、セブンの一連の対応に賛同すると表明した。その一つとして、セブンの社外取締役で構成する戦略委員会がイトーヨーカ堂を含むスーパーストア事業の分離などを提言したことを挙げた。その上で、「戦略上の結論を達成するための一つの実現可能な選択肢として新規株式公開(IPO)を計画し、最終的に同事業を連結から外すことに賛同する」との考えを示した。

セブンが取締役会議長とCEOの役職を分離し、デイカス氏が就任することにも賛同するとあわせて発表した。セブンが株主総会で諮る取締役候補者に賛成票を投じるとした。バリューアクトのロブ・ヘイル共同CEOは「セブンが進行している変革と成長策に期待している」とコメントした。

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