青山商事は夏用のオーダースーツを本格展開すると発表した。水洗いできる生地や通気性に優れた裏地を用意した。近年、気候変動の影響で夏の気温が高い状態が続き、夏用スーツの着用期間が長期化している。既製品では味わえない好みの一着を夏でも楽しめるとして、新たな需要を開拓する。
青山商事のオーダーブランド「クォリティオーダー シタテ」で扱う。夏用の生地を約70種類用意した。吸水速乾素材「クールマックス」や凸凹した表面でさらさらした肌触りの生地「シアサッカー」、通気性に優れた清涼感のある裏地などがある。
春夏用生地の約4割を水洗いできるようにした。汗をかいても自宅で簡単に洗え、クリーニングに出す手間も軽減できる点を訴求する。価格は1着3万1900円からで、納期は最短14日間だ。
同社営業部の尚貴範副部長は「オーダースーツは敷居が高いイメージがあるが、身近な『洋服の青山』の店舗で手軽に作れる。夏におすすめの生地を豊富に用意したので、多くの人に快適に夏のスーツを楽しんでほしい」と話す。
青山商事はオーダースーツの販売に力を入れている。「シタテ」は2019年の立ち上げ以降、取扱店舗を増やし23年10月に全店舗導入が完了した。
26年度までの中期経営計画で、傘下の「ユニバーサルランゲージ・メジャーズ」と「麻布テーラー」を加えた3ブランドのオーダースーツの売上高を171億円とする目標を掲げる。同社によると、最近は量より質にこだわる客が増えているという。
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