島津製作所は3日、抗体医薬品の分析に必要な前処理を自動化する装置を発売すると発表した。分析に使う調製キットは住友ベークライトが開発した。従来の手作業に比べ処理時間を大幅に短縮できるほか、ミスも減らせる。需要拡大が見込まれるバイオ医薬品の開発・製造受託などを手掛ける企業に販売する。
開発した装置「MUP-3100」は抗体医薬品の安全性や有効性を確認するのに必要な糖鎖成分の分析に使う。分析には、培養液から抗体を取り出したり抗体から糖鎖を切り出したりするなどの前処理が必要だ。
新たに開発した調製キットは1本のチューブの中で必要な前処理を完結できるのが特徴だ。これまでの手作業で使うことを前提にしたキットでは、作業者がチューブに試薬を加えるなどの工程があり、特にサンプル数が増えると負担が大きかった。例えば、これまで2日以上かかっていた作業時間を6時間程度に短縮することも可能だという。
希望販売価格は3850万円からで、年間販売目標は10台だ。調製キットは装置1台あたり年間100〜200キットを使用するとみられる。まずは、成長率の高いアジア圏を中心に売り込む。
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