アウディの独南西部ネッカーズルム工場の生産ライン

【フランクフルト=林英樹】ドイツ自動車工業会(VDA)は3日、2024年に独国内で生産する電気自動車(EV)の台数予測を下方修正した。従来は23年比で20%増の115万台を見込んでいたが、5%増の100万台に下げた。24年上半期のEV販売は6カ月連続で前年同月を下回るなど需要が低迷しており、車大手が生産調整に動くとみている。

独フォルクスワーゲン(VW)や欧州ステランティスなどが対応車種と販売網の拡充に動くプラグインハイブリッド車(PHV)の24年生産台数については「5%増の32万7000台」と従来予測を据え置いた。

1〜6月にドイツ国内で販売されたEVは18万4100台で、前年同期と比べ16%減った。通年では17%減の57万8000台にとどまる見通しだ。一方、1〜6月のPHV販売は13%増の8万9500台と好調を維持している。

EV需要低迷の直接的な原因は、23年12月の独政府によるEV新車購入補助金の停止だ。VWやテスラなど車大手は一定期間、補助金分を値下げとして補填したが、その措置が終わり販売が落ちた。物価高やエネルギーコスト増を背景に、エンジン車と比べ割高なEVの購買意欲が下がった点も大きい。

1〜6月にドイツで生産された乗用車全体は前年同期比6%減の208万8700台だった。このうち独国外への輸出は162万500台で、2%減った。

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