耐久性を高め高速検査に対応した

東レは4日、製品をX線検査する検出器向けのパネルで、新たに高速化に対応した製品を開発し、販売を始めたと発表した。従来製品に比べ耐久性を高め、X線照射によるパネルの劣化を低減した。検出器の交換頻度を従来の3分の1程度に抑えられる。半導体や食品、電気自動車(EV)向け電池などで高速検査の需要が高まっていて、2030年度に売上高で30億円規模を目指す。

新たに開発したのは、X線を使い製品を分解せずに内部の傷や異物混入の有無などを確認する検出器に使われる「シンチレータパネル」。パネルを通してX線を照射することでレントゲンのように可視化し、コンベヤーベルト上の食品や電子部品を画像検査する。近年は検査効率の向上に向け、より高速での検査が求められている。

従来の技術で高速検査しようとすると不鮮明な画像になって検査精度が下がるほか、パネルの劣化が早くなり検出器を交換する頻度が高くなるのが課題だった。新製品ではパネルに使われるフィルムの反射率を上げ、X線により劣化する物質を他の材料に置き換えることで耐久性を高めた。従来は2〜3年に一度交換が必要だったが、新製品では6〜9年に一度と3倍に伸びる。

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