「空飛ぶクルマ」を開発するスカイドライブ(愛知県豊田市)は4日、JR九州と業務提携したと発表した。九州地方での空飛ぶクルマの運航に向けて、駅に離着陸場を設けたり、運営面で連携したりすることを検討する。鉄道と組み合わせたサービスを提供することで、沿線地域の観光誘客などにつなげたい考えだ。
両社で事業の成立可能性を調査する。離着陸場の候補地や運航管理体制、飛行ルートなどについて検討するとともに、事業の収益見通しを精査する。JR九州は鉄道事業で培った運行管理や観光振興の知見を、事業戦略に生かすことを目指す。
4日の協定締結式で、スカイドライブの福沢知浩最高経営責任者(CEO)は「鉄道会社は移動、まちづくり、観光の専門家だ。快適で日常的な空の旅を実現する」と強調。JR九州の古宮洋二社長は「九州のまちづくりや地域課題の解決につなげたい」と語った。
空飛ぶクルマは垂直に離着陸できる電動式の機体で、滑走路を必要としないため、都市部を結ぶ交通網として期待されている。スカイドライブは3人乗り機体を開発中で、最大時速は100キロメートル、航続距離は15〜40キロに及ぶ。2025年国際博覧会(大阪・関西万博)では客を乗せない「デモフライト」を予定している。
スカイドライブはすでに国内外から263機の購入予約を受けており、製造協力するスズキグループの工場で3月から製造を始めた。26年以降に量産に必要な「型式証明」を日本と米国で取得し、商用運航を始める計画を掲げている。
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