産業ガス大手の米エアプロダクツが製造した液化天然ガス(LNG)プラントの熱交換器(同社提供)

【ヒューストン=花房良祐】重工大手の米ハネウェル・インターナショナルは10日、産業ガス大手の米エアプロダクツから液化天然ガス(LNG)生産技術を約18億ドル(約2900億円)で買収すると発表した。LNGの世界需要は増加しており、基幹技術の取得で成長を取り込む。

エアプロダクツはLNGを効率的に生産する冷却プロセスの技術を有しており、米国やカタールなど世界中のLNGプラントが導入している。関連する熱交換器の設計・製造も手掛け、同社のLNG部門の従業員は475人。

年内に現金で取得する。買収額は2024年のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)見通しの13倍という。ハネウェルのビマル・カプル最高経営責任者(CEO)は「ガスは低炭素で安価な転換期のエネルギーだ」とコメントした。

LNGの冷却技術はプラントの心臓部。同社の技術を使用する液化設備は少なくとも128系列にのぼり、世界で7〜8割のシェアを誇るとの見方もある。

英BPがこのほど公表した見通しによると、世界のLNG需要は30年に22年比で3〜4割増加する見通しだ。化石燃料のなかでも天然ガスは燃焼しても石油や石炭に比べて温暖化ガスの排出量が少なく、エネルギー転換に向けて需要が底堅いとみられている。

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