豊田通商は11日、独産業ガス大手メッサーと共同出資会社を設立したと発表した。再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」の製造・供給や、水素燃料電池(FC)を搭載したバスやトラックの販売を担う。排ガス規制が強まる欧州で、二酸化炭素(CO2)を排出しない水素の販路を広げる。

新会社「シンフォニー」を4月20日付で設立し、ドイツ西部ヘッセン州に本社を置いた。資本金は非公表。子会社の豊田通商ヨーロッパとメッサーが50%ずつ出資した。最高経営責任者(CEO)にはメッサーのティム・エヴィゾン上級副社長が就いた。

太陽光や風力発電由来の電力を使ってグリーン水素を生産し、現地企業に供給する。顧客ニーズに応じて、FCバスやトラックをリース販売したり、水素ステーションを導入したりする。販売する車両は、トヨタ自動車のFCバス「SORA(ソラ)」などになる見通しだ。

豊田通商は水素・代替燃料を重点分野の一つに位置付けており、2030年までの10年間に約2000億円を投じる計画を掲げている。

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