【ニューヨーク=吉田圭織】米飲料品・食品大手ペプシコが11日に発表した2024年4〜6月期決算は純利益が前年同期と比べて12%増え30億8300万ドル(約4900億円)だった。売上高は225億100万ドルで微増し、市場予想をわずかに下回った。増収増益は確保したものの、北米での需要減少が目立った。
24年12月期通期の業績予想を下方修正した。為替変動や買収などの影響を差し引いた実質売上高は前期比約4%増と「少なくとも4%増」としていた従来予想から引き下げた。実質1株利益は8%増の予想を据え置いた。
値上げを続けた影響で、販売数量が縮小している。4〜6月期にも平均で5%値上げし、全商品の販売数量は3%減だった。
地域別でみると最も減少が鮮明だったのは北米だった。北米は主力のスナック菓子事業の販売量が4%減、飲料事業も3.5%減に落ち込んだ。23年12月〜24年1月にサルモネラ菌に汚染されている可能性があるとしてリコールを実施した朝食シリアル事業は17%減と大幅な下落だった。ペプシコは下半期にリコールの影響は和らぐと予想している。
米国以外の地域の販売量ではアジア太平洋地域の事業が横ばい、欧州事業が2%増、南アジア・中東・アフリカが1%増だった。
業績予想の下方修正について、ラモン・ラグアルタ最高経営責任者(CEO)は同日の投資家向け説明会で「少なくとも4%としていた時は実際、5%を予想していた。一部の米国の消費者が苦戦しているのを理由にいまは4%を予想している」と話した。
ラグアルタ氏は「米国で全ての所得レベルの人が消費動向を変えている。消費者は価格により敏感になっている」とも述べた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。