本をじっくり読めるエリアには小説や自然科学、哲学などの本を置く(19日、名古屋市内)

中日新聞社と子会社の中部日本ビルディング(名古屋市)は19日、名古屋・栄地区で建て替えを進めていた複合ビル「中日ビル」の内部を報道陣に公開した。名古屋初出店となる「入場料制の書店」といった個性や趣味性などを重視した93のテナントが出店し、23日に全面開業する。栄地区の新たなランドマークとなることを目指す。

入場料制の書店として知られる「文喫」は東京・福岡に次ぐ全国3店目。席数は約160席、面積は約370坪(約1200平方メートル)と既存の2店舗を大きく上回る規模で、約3万冊の本と喫茶スペースを融合した。既存店よりも早い7時30分に営業を始め、無料モーニングサービスを導入するなど「名古屋ナイズド」して集客する。

有料ゾーンはじっくり本を読むためのエリアや食事が楽しめる喫茶エリアなど4つに分けた。全席に電源を設けたエリアには個室や会議室も備えた。今後はイベントも計画するという。入場料は90分で825円。

8台のモニターでスポーツ観戦が楽しめる(19日、名古屋市内)

飲食店が軒を連ねる3階の一角には、スポーツのパブリックビューイングを楽しめる「スターキャットサカエファンスクエア」を設けた。5店舗の飲食店の中央には8台のモニターが設置されており、プロ野球の中日ドラゴンズをはじめとするスポーツの試合を観戦できる。

飲食店内にもモニターを設ける(19日、名古屋市内)

各飲食店内にもモニターが設けられており観戦できる。魚料理を提供する「うまい魚が食べたくて」では、今後セ・リーグ6球団にちなんだメニューを検討しているという。

ドアラの入れ物にはポップコーン1杯無料のキャンペーンを開催する店舗もある

中日ビルは待ち合わせ場所として親しまれた旧中日ビルをイメージした「中日ビルで、会おう。」をコンセプトに掲げる。栄の目抜き通りに面し、地域のランドマークタワーとして親しまれてきた。19年から営業を停止し、地下5階、地上33階の複合ビルへの建て替えを進めていた。

同日、記者会見した中日新聞社の大島宇一郎社長は「栄のシンボルとして地元の皆様と盛り上げていきたい」と話した。中部日本ビルディングの井戸義郎社長は「名古屋に外国からの観光客が増えてきたと実感している。日本はもちろん、外国の人にも広く楽しんでほしい」と期待を寄せた。

23日に開くセレモニーでは愛知県の大村秀章知事や名古屋市の河村たかし市長のほか、中日ドラゴンズのマスコットキャラクター「ドアラ」が出席する予定。

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