住友化学は18日、植物などの天然素材の売り手と買い手をつなぐ取引サイトを開設したと発表した。売り手が持つ素材の機能性成分などの価値を分析してデータベース化する。素材成分の見える化で資源の有効活用につなげる。一部サービスは有料とし、数年で数十億円規模の売上高を目指す。
新たなサービス「ビオンド」では食品や植物など天然素材の成分分析結果をデータベースとしてまとめる。化学や医薬事業などで培ってきた技術を活用し、一度の分析で約200種類の成分の含有量がわかる。
素材の売り手が分析を依頼すると、含まれる機能性成分などを6週間程度でフィードバックし、データベースに登録する。買い手はデータベースから欲しい成分を探し、売り手との取引につなげられる。
例えばサプリメントを作りたい企業がサイト上で欲しい成分や機能を基に検索すると該当する素材が見つかる。売り手は農産物を扱う企業や残渣(ざんさ)が発生する食品工場など、買い手は健康食品や化粧品関連企業などを想定している。
売り手による分析の依頼など一部は無料にし、データベースの拡充につなげる。各成分の含有量や機能性情報といった詳細な分析結果の閲覧や買い手のデータベースの利用は有料だ。住友化学は無形資産を活用した新事業の創出を目指しており、分析技術を使ったデータビジネスとしての確立を目指す。
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