野菜生産・販売の鈴生(すずなり、静岡市)は九州大学発医療スタートアップのKAICO(カイコ、福岡市)と養蚕業の活性化へ連携する。鈴生は太陽光発電を組み合わせたスマート養蚕施設を各地で展開し、通年で効率的に蚕を育てる。KAICOは鈴生から蚕のサナギを買い取り、家畜や人向けのバイオ医薬品の原料に活用する。
両社が19日、静岡県沼津市で「新たな養蚕業による地域経済の活性化と地域振興」をテーマに協定を結んだ。鈴生は物流コンテナを転用し太陽光パネルを備えた「ソーラーシェアリング」型の養蚕施設を年内に導入し、外販などで全国に広げる。安定した温度などの飼育環境をコストを抑えて実現し、養蚕業へ新規参入を促す。
KAICOは蚕のサナギを用いて有用なたんぱく質を生産する独自技術により、経口ワクチンや医薬品の開発・生産を進める。
かつては日本の生糸輸出を支えた養蚕業だが、近年は作業負担の重さが敬遠されて担い手がおらず、安価な海外産シルクや低価格衣料にも押されて衰退が続く。両社は協業を通じて養蚕業の課題を解決し地域産業としての再生を目指す。
鈴生は静岡県内を中心に外食向けなどにレタス、枝豆、ソバなどを栽培する。KAICOは九州大農学部と工学部の技術を基に2018年に設立された。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。