銀行と系列の証券会社2社が顧客企業の非公開情報を無断で共有した問題を受け、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は19日、再発防止策などを盛り込んだ業務改善計画を金融庁に提出した。また、MUFGの亀沢宏規社長、三菱UFJ銀行の半沢淳一頭取、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小林真社長ら役員6人の報酬を減額する社内処分を決めた。退任した役員4人には自主返納を要請した。
金融庁は6月、MUFG傘下の三菱UFJ銀行▽三菱UFJモルガン・スタンレー証券▽モルガン・スタンレーMUFG証券――の3社に金融商品取引法に基づく業務改善命令を出した。
金融庁などによると、同じグループの銀行と証券会社の情報共有を制限する「ファイアウオール(防火壁)規制」に違反し、2021~23年に三菱UFJ銀の役職員が、9社の非公開情報を無断で系列証券2社と共有。2社はその情報を利用して営業活動などを行い、公正な競争を阻害したという。
情報を悪用する優越的地位の乱用は認められなかったなどとして、親会社のMUFGへの行政処分は見送られたが、監督責任は免れないとして、亀沢氏らを社内処分の対象とした。記者会見した亀沢氏は「この度の事態を大変重く受け止めている。心からおわびする」と謝罪した。【井口彩】
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