九州日田工場(大分県日田市)に導入した太陽光発電設備

サッポロビールは、国内にある全ての工場と営業拠点で使用する電力を100%再生可能エネルギー由来にする時期を、2030年から2026年に4年前倒しすると発表した。このほど九州日田工場(大分県日田市)に太陽光発電設備を導入した。再生可能エネルギーの活用を進め、50年までに温暖化ガス排出量の実質ゼロ達成をめざす。

九州日田工場には、発電事業者が設備を設置し、サッポロビールが発電量に応じた利用料を払う「PPAモデル」を活用。東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES、東京・港)と電力購入契約(PPA)を結んだ。

導入した設備は、太陽光パネル1922枚で総パネル面積は約4965平方メートル。年間発電量は1276メガワット時で、二酸化炭素(CO2)排出量は年間約612トン削減される見込み。

国内の自社拠点にPPAモデルで太陽光発電設備を導入するのは九州日田工場で5例目。22年に群馬工場尾島事業所(群馬県太田市)に初めて導入し、北海道工場(北海道恵庭市)などにも導入している。

同社は50年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げている。環境負荷の大きいフロンではなくCO2を冷媒に使うヒートポンプ給湯設備を採用するなど、工場で使う燃料や電力の削減を進めている。

海外拠点でも温暖化ガス排出量の削減に取り組む。ベトナムのロンアン工場に太陽光パネルを導入した。投資額は非公開。導入した設備は、太陽光パネル1296枚で総パネル面積は約4190平方メートル。年間発電量は1043メガワット時で、CO2排出量は年間約706トン削減される見込み。

ロンアン工場はベトナム国内だけでなく、アジアやオセアニア、ヨーロッパにも商品を供給しており、同社のアジア・太平洋地域の重要拠点。これまでも環境省の「二国間クレジット制度(JCM)」を利用して省エネ設備を導入するなど環境負荷の低減に取り組んでいる。

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