静岡県庁で「空飛ぶクルマ」を巡る部局横断チームの初会合を開いた増井浩二副知事や県幹部ら(22日)

静岡県内への「空飛ぶクルマ」の導入や普及に向けた県の部局横断チームが22日、第1回の会議を開いた。2025年度の当初予算案に関連事業費の計上を目指し8月に中間報告を出すほか、27年度の商用運航開始を想定したロードマップを年内に作る。県がすでに持つ3次元地形データやものづくり産業の集積などを強みに先進地を目指す。

5月に立ち上げた「静岡県次世代エアモビリティ導入促進プロジェクトチーム」が検討を主導する。増井浩二副知事がトップに就き、危機管理部やスポーツ・文化観光部など各部局の幹部も加わる。初会合では空飛ぶクルマの市場規模や国、自治体の動向などについて共有した。

国の整備計画を参考に、27年度に県内の決められた区域を遊覧する商用運航を目指す。30年代前半には拠点間の移動や、観光・防災といった公共交通以外の利用も見込む。各部局や民間の関係事業者なども意見も聞きながら、計画実現に向けたロードマップを取りまとめる。

ヒアリングの候補としては空飛ぶクルマを開発するスタートアップのスカイドライブ(愛知県豊田市)などのほか、静岡空港や御殿場アウトレット、通信事業者なども含まれる。

県は安全な飛行に使える県全域の3次元点群データを持つほか、スズキなど自動車産業が集積する。23年にはヘリ運航の朝日航洋(東京・江東)と連携協定を結び、離着陸地点の候補などの選定も進める。増井副知事は「静岡は(導入に)優位性のある地域。予算の策定まで時間は限られるが頑張りたい」と意気込んだ。

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