明治ホールディングス(HD)の食品子会社である明治は22日、カカオ豆の種皮をデニムやTシャツに活用すると発表した。肥料などに活用していたカカオの種皮からより高価な商品を作ることで、チョコレートの原料であるカカオの付加価値を高める。利益をカカオ農家に還元し、カカオの品質をより高めることも視野に入れる。
デニムブランド「エドウイン」や、アフリカのガーナで雇用支援を目的に設立した衣服ブランド「クラウディ」と共同制作した衣服を23日から順次発売する。種皮を粉砕したものを和紙と組み合わせ、それを細かくして糸としてデニムに活用する。
クラウディのTシャツは8800円で、秋ごろから発売するエドウインのデニムの価格は未定。
23日から31日まで、衣服や食べ物を販売する「チョコレートのないカカオのお店」を東急プラザ原宿「ハラカド」(東京・渋谷)に開く。
コラボした衣服やバッグを販売するほか、カカオに入っている赤い色のエキスを使ったピンク色の飲料、ポリフェノールを多く含むカカオ素材にアーモンドなどを加えた健康的なおやつも販売する。
明治の松田克也社長は22日、「カカオの価値を見直すことでカカオ生産をしていただいている方々の生活の向上につなげていきたい」と話した。
明治は日本のメーカーの中で最もカカオを使っている。チョコレートやココアの原材料として使われているのは、カカオの実全体の1割未満にとどまるという。
明治は22年からカカオの種皮などを有効活用する取り組み「ひらけ、カカオ。」を展開している。カカオの種皮を使ったコースターや紙コップホルダーなどを発売してきた。
(行方友芽)
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