法人向けは堅調に推移したが、個人向けが振るわなかった(東京都千代田区のビックカメラ有楽町店)

電子情報技術産業協会(JEITA)は23日、6月のパソコン(PC)出荷台数が前年同月比9.7%減の59万9000台だったと発表した。出荷金額は同7.7.%減の677億円で、台数・金額ともに4カ月ぶりにマイナスへ転じた。個人向けが振るわなかった。

種類別に見ると、出荷台数の85.3%を占めるノートPCが9.1%減の51万1000台、出荷額は5.6%減の576億円だった。一方、ノートPCの中でも画面が比較的小型の「モバイルノート」は好調で、出荷台数は18.4%増の27万3000台、出荷金額は21%増の300億円だった。

2025年の米マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ10」のサポート終了を控え買い替え需要が見込まれている。調査会社のMM総研は「夏のボーナス商戦でPCの単価が上昇し、物価高により個人の買い控えが起こった。暑い日が続きエアコンなど白物家電に需要が流れたことも要因の一つで、出荷の減少は一時的だろう」と分析する。

1〜6月のPC出荷台数は前年同期比7.9%増の160万9000台、出荷金額は11.2%増の1938億円だった。新型コロナウイルス禍で広がった在宅勤務向けに導入されたPCの買い替え需要があった。小中学校に1人1台ずつ端末を貸与する政府の「GIGAスクール構想」なども後押しし、法人向けが伸びた。

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