森永乳業は、グループ全社員が対象のDX(デジタルトランスフォーメーション)人材育成プログラムを始めた。グループの競争力向上のためにはデジタル技術の活用が不可欠とし、社員一人ひとりのIT(情報技術)リテラシーの向上に取り組む。

新しく始めた「森永DXアカデミー」では、習熟度に応じて分けた4段階の研修を用意する。内容はデジタルスキルに限定せず、経営や組織マネジメントに関するビジネススキルも含む。

2025年3月までに役員を含めた全社員が基礎レベルの「DXエントリー」の認定を取得し、グループ全体の4割にあたる約2800人はデジタル技術やデータを使って自身の業務改善ができる「DXメンバー」の認定取得を目指す。「DXメンバー」は29年3月までにグループ全体の8割にあたる5600人の取得を目標にする。

24年4月にはIT改革推進部内に「DX推進グループ」を新設し、グループ内のDXを進めている。事業部門からIT部門への異動も増やし、IT部門の正社員を26年までに24年比で28%増員する計画だ。

同社は26年3月期までは複雑化した業務プロセスの自動化・効率化を進め、コストを削減し生産性を上げる。29年3月期までに自己資本利益率(ROE)10%以上の目標を掲げており、DXを通じて経営基盤の強化に取り組む。

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