アミタホールディングス(HD)は、半導体の切断時に使う研磨剤をリサイクルしている北九州市の拠点を強化する。廃液からシリコンとアルコールを取り出す専用機を増設。シリコンなどの製造量を2割増やし、製鉄やセメント製造への利用を促すことにより、九州で集積が進む半導体製造との循環モデルづくりにつなげる。
増設した専用機は3基目で23日に落成式を実施した。29日に稼働する。研磨剤は円柱形のシリコンを円形のウエハーにスライスする際に使われ、廃液には微細なシリコンが含まれる。この廃液を蒸留することにより、シリコンとアルコールに分けることができる。
再生したシリコンは製鉄所で鋼の強度を高めるのに使え、アルコールはセメント製造に利用できるという。専用機の増設により、24年度のシリコン関連製品全体の製造量を23年度比で2割増やす計画だ。
アミタHDの末次貴英社長は落成式で「新たな循環資源を作り続け、持続可能な調達と九州・アジアでのサーキュラーエコノミー(循環経済)の実現を約束する」と話した。式典には廃液の排出元となるシリコンウエハー製造のSUMCOや、リサイクルでできる製品を活用するセメント製造のトクヤマも出席した。
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