ベンチャーキャピタル(VC)のビヨンドネクストベンチャーズ(東京・中央)は24日、2023年に設立した3号ファンドの運用額が257億円に達したと発表した。信託銀行や運用会社が出資し、当初の目標金額(250億円)を上回った。「ディープテック」と呼ばれる先端技術を活用するスタートアップに特化して投資する。
運用期間は11年を基本とし、最大14年まで延長できる。「シード」と呼ばれる創業期を中心に1社あたりの投資額は平均8億円、追加出資を含めると最大20億円を25社程度に投じる。既存ファンドでは1社あたりの平均投資額は2億〜3億円だった。
スタートアップが事業規模を大きくしてから新規株式公開(IPO)を目指すべきだとの声が強まっている。伊藤毅社長は「1社あたりの投資枠を広げて上場まで支えられるようにする」と話す。
従来の医療・ヘルスケア、創薬バイオ、農業・食料に加えて、3号ファンドでは人工知能(AI)や量子コンピューターなど情報通信関連、宇宙、気候変動関連を組み入れる。全体の運用額に占めるAIなどの新領域の比率は3割程度を想定する。
3号ファンドでは大都市圏だけでなく、地方の大学の研究成果を活用したスタートアップも支援する。ビヨンドネクストが経営者候補の人材を1年間雇用し、地方大学の研究者と共同で起業することを促す。インドに設立した子会社を活用して投資先のグローバル展開を支援する。
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