2023年4月に承認された、経口中絶薬「メフィーゴパック」は、妊娠およそ9週までに、2種類の薬を時間をあけて服用することで、手術をせずに人工妊娠中絶を行うことができますが、使用の際には慎重な取り扱いが求められていて、現在は、入院が可能な病院や診療所のみで使用できることになっています。

この薬の使用実態を調べるため、日本産婦人科医会の中井章人副会長を中心とする国の研究班が調査を行いました。

研究班では、全国の人工妊娠中絶を行っている施設を対象にアンケート調査を行い、2000余りの施設から回答を得ました。

その結果、去年10月までの半年間に「メフィーゴパック」を使って人工妊娠中絶を行ったのは43施設で、症例数は少なくとも合わせて435件に上ることが分かったということです。

このうち、
▽396件は、薬の服用だけで中絶を終えていて
▽39件で追加の手術などの対応が必要とされましたが
いずれも大きな合併症はみられず、別の医療機関への搬送が必要となるようなケースもなかったということです。

調査を行った中井副会長は「薬が安全に使用されていることが分かった。人工妊娠中絶は、入院できない無床の医療機関で受ける人も多いので、この薬が使える施設を限定する必要があるのか改めて検討する必要がある」と話していました。

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