ウニが海藻を食べ尽くした米カリフォルニア州の浅瀬の様子(日本郵船提供)

日本郵船は25日、増えすぎたウニを採集して食用に育てる事業を手掛けるアイルランドの新興企業ベルダント・ブルームに出資すると発表した。増殖したウニが海藻を食べ尽くし、海中の二酸化炭素(CO2)吸収が減ることが各地で懸念されている。持続可能なウニの生態系をつくり、藻場の再生につなげる。

日本郵船は2050年までにCO2などの温暖化ガスの排出を実質ゼロにすることを目指している。ベルダントへの出資を通じて、海藻などがCO2を吸収する「ブルーカーボン」のクレジット創出に生かす。日本郵船は出資額を明らかにしていないが、少額出資にとどまるという。

世界の海で増殖したウニが海中の藻場を枯らす「磯焼け」が問題になっている。そうしたウニの多くは飢餓状態で身が詰まっておらず、食用に向かないため採集されてこなかった。

日本郵船はベルダント傘下の英ウニノミクス・グループの活動を支援する。同社は増えすぎたウニを採集し、天然由来の飼料を与えて食用に適したウニに育てる「畜養」という事業を担う。ウニを卵の段階から育てる「養殖」とは区別されることが多い。食用ウニを育てて販売すれば、藻場の再生にもつながる。

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