採算重視で売上単価が上がった

東京製鉄は26日、2025年3月期の単独税引き利益が前期比21%減の220億円になる見通しだと発表した。従来予想を10億円上回る。価格が下がっている輸出を抑えたことや、原料の値下がりが利益を押し上げる。

売上高は前期比1%減の3640億円と計画から60億円引き下げ、減収見通しに転じた。製造業の生産回復の遅れなどで、鋼材需要は想定に比べ伸び悩むとみる。

営業利益は16%減の320億円と20億円上方修正した。主要な輸出先のアジア市場は、中国の輸出拡大などで市況が悪化する。4〜6月期は輸出を減らし、輸出比率は15%と前年同期を9ポイント下回った。同日の決算会見で津田聡一朗執行役員は「利益が出やすい価格のものを受注した」と述べた。売上単価は1トンあたり11万400円と、想定から3200円伸びた。

主原料の鉄スクラップの購入価格は1トン5万3300円と、期初想定から400円下がった。4〜6月期の利益率の改善が、通期予想の上方修正につながった。

併せて発表した24年4〜6月期単独決算は、売上高が前年同期比9%減の939億円、税引き利益が26%減の65億円だった。

同日、最大100億円の自社株買いも発表した。取得期間は7月29日から25年6月30日まで。発行済み株式総数(自己株式を除く)の6.26%にあたる680万株を上限に取得する。

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