エーザイは「レカネマブ」について、欧州医薬品庁(EMA)の評価委員会から否定的な見解を受領した

エーザイと米バイオジェンは26日、共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、欧州連合(EU)で新薬認可を判断する欧州医薬品庁(EMA)の評価委員会から否定的な見解を受領したと発表した。EMAは今後、改めて承認の可否を判断する見込みだが、欧州での実用化が見送られる可能性が出てきた。

EMAの下部組織である欧州医薬品委員会(CHMP)が見解を示した。レカネマブは病気の進行スピードを27%緩やかにする効果が確認されているが「新薬の有効性は(脳出血などの)副作用リスクを相殺しない」とみている。

CHMPの見解を受けてEMAが承認の是非を判断する。EMAの判断は欧州各国の承認に影響する。エーザイとバイオジェンはCHMPに再審議を請求するという。再審議の開始時期は未定としている。

欧州では2023年1月に欧州医薬品庁に販売承認の申請をしていた。当初、欧州では24年4〜6月期に承認を得られるとの見通しを示していた。エーザイは今期の業績への影響は軽微としている。

エーザイのチーフクリニカルオフィサーであるリン・クレイマー氏は「今回の否定的見解は極めて残念であり、多くのアルツハイマー病のコミュニティーで大きな失望をもって受け止められている。患者や家族に有意義な変化をもたらすことに引き続き注力する」とコメントした。

欧州ではEMAの判断のもと、加盟各国が承認や保険適用などについて審議する。ただ医薬品の価格が高額な場合は保険適用を推奨しないケースが多い。

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