G20の会議は2日間の議論を経て共同声明を採択し、世界経済についてソフトランディング=軟着陸する可能性が高まっているものの、戦争や紛争をはじめ、高い金利につながるインフレの長期化といったリスクがあると指摘しています。
そして、強固で持続的な成長に向けて政策を調整し意思疎通を続けると明記しました。
鈴木財務大臣は会見で「世界経済が抱える諸課題に対し充実した議論ができた。結果にも日本の意見が反映された」と述べました。
共同声明 “為替の過度な変動が悪影響を与えうる”
今回、採択された共同声明では「2021年4月の為替相場についてのコミットメントを再確認する」としていて、為替の過度な変動や無秩序な動きが経済や金融に悪影響を与えうるという認識が改めて共有されました。
日本政府・日銀は歴史的な円安局面の中で今月も市場介入を実施したとみられていて、今回の会議の中で日本はG20が共有する考え方に沿った適切な対応が重要だという立場を説明していました。
財務省の神田財務官は会見で「為替の文言が落ちてしまうとマーケットに不測のミスリーディングなメッセージになるかもしれないということで書き込むよう主張し、その結果、しっかりと入っている」と述べました。
「リオデジャネイロ宣言」国際的な課税ルール導入へ
今回の会議では、国際的な課税ルールの導入に向けた「G20閣僚リオデジャネイロ宣言」も発表されました。
この中では国境を越えてサービスを展開する巨大IT企業などに対する国際的な課税ルールについて「できるだけ早期に多国間条約の署名を促す」としています。
このルールをめぐっては3年前に国際的な合意が得られていますが具体的な条文をめぐる調整が難航し、目標としていた先月までに条約の内容を確定する各国の署名は実現していません。
また、宣言では、議長国のブラジルが提起した超富裕層に対する課税についてG20などで議論を続けていくことも確認しました。
鈴木財務大臣は会見で「国際租税協力に関するG20として初めての文書であり、日本も評価している」と述べました。
鈴木財務相が米財務長官と会談 ウクライナ支援など意見交わす
G20の会議のためブラジルを訪問している鈴木財務大臣は26日、アメリカのイエレン財務長官と個別に会談しました。
為替を含めた金融市場やロシアの凍結資産を活用したウクライナへの支援策などについて、意見を交わしたということです。
財務省の神田財務官は会見で「幅広い重要な課題について意見交換できた。いい共通の認識ができた」と述べました。
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