トヨタ自動車など国内の乗用車メーカー8社が30日まとめた2024年上期(1〜6月)の世界生産は、前年同期比6%減の1168万台だった。2年ぶりに前年割れとなり、新型コロナウイルス禍だった22年上期(1142万台)に近い水準となった。ダイハツ工業やトヨタの認証不正問題などの影響で国内生産が落ち込んだほか、中国市場での不振も響いた。
8社の国内生産は10%減の369万8千台だった。メーカー別ではダイハツが63%減の14万7千台で、下げ幅では最も大きかった。大規模な不正の判明で23年12月から国内の完成車工場を停止し、全面再開は5月に入ってからだった。6月単月の国内生産台数は23年9月以来前年同月を上回ったが、上期の落ち込みを補えなかった。
トヨタの国内生産も8%減の150万8千台で、2年ぶりに前年割れとなった。認証不正の発覚で売れ筋の小型多目的スポーツ車(SUV)「ヤリスクロス」や「カローラフィールダー」などの生産を停止したほか、電気式スイッチの不具合により、「プリウス」の出荷を止めた影響も出た。
8社の海外生産は4%減の799万台で、20年上期(594万台)以来800万台を割った。特に中国ではトヨタ、ホンダ、日産自動車の大手3社は販売苦戦が続き、ともに中国での生産台数が前年割れとなった。
販売不振を受けて、中国での生産体制を見直す動きも出てきた。日産は6月下旬、江蘇省常州市の工場閉鎖に踏み切った。同社が中国の乗用車工場を閉めるのは初めて。ホンダも秋以降に7つあるガソリン車の工場のうち2工場を閉鎖・休止する。
各社の24年上期の生産水準が落ち込んだなか、スズキとSUBARU(スバル)の2社だけが世界生産台数で前年を上回った。
スズキはインドで部品供給不足が解消されたことで生産が回復したほか、国内でも新型車投入の効果が寄与し、世界生産台数は6%増の167万6千台だった。スバルも海外生産が伸びたことで、世界生産台数が1%増えた。
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