日銀は31日の金融政策決定会合で、政策金利である短期金利(無担保コール翌日物レート)の誘導目標を「0~0.1%程度」から「0.25%程度」に引き上げることを決めた。8月1日から適用する。利上げは、3月のマイナス金利政策の解除に続き今年2回目。同時に決定した国債買い入れ額の段階的縮小と併せ、金融政策の正常化が一段と進むことになる。

植田和男総裁は会合後の記者会見で「2%の物価目標の持続的・安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断した」と追加利上げの理由を説明した。「景気に大きなマイナスの影響を与えることはない」との認識も示した。

国債買い入れについては、現在の月間6兆円程度から2025年度末に月間3兆円程度になるよう、3カ月ごとに4000億円程度のペースで減らしていく。

植田氏は、今後の金融政策運営については「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、引き続き政策金利を引き上げていくことになる」と述べた。さらなる利上げでは「0.5%を特に壁と意識していない」と指摘する一方、「年内にもう一段の金利調整があるかどうかは、これからのデータ次第」と強調した。

金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の植田和男総裁=31日午後、日銀本店

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