インタビューに答えるNTTコミュニケーションズの小島克重社長(7月25日、東京都千代田区)

NTTコミュニケーションズ(コム)は北海道千歳市の工業団地に、NTTが開発中の次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を活用したデータ管理システムを提供する。集積する企業がデータを互いに共有し、新製品開発などに生かせるようにする。同団地で2025年1月に最先端半導体工場の完成を見込むラピダスなどの利用を視野に入れる。

NTTコムの小島克重社長が日本経済新聞の取材に応じ「半導体産業向けのプラットフォーム(基盤)を提供する」と述べた。その準備として7月、千歳市に事業所を新設した。地元の千歳科学技術大学などと連携し、人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)に詳しい専門人材の育成も進める。

半導体の製造過程では大量の電力を消費する。光で情報を処理するIOWNは消費電力を大幅に抑え、高速で大容量のデータ通信も可能にする。小島氏は「半導体の生産コストを下げられる」と利点を説明する。設計などで高度なシミュレーションも可能になるとみる。

NTTコムは22年1月にNTTドコモの完全子会社となり、法人向け事業を統括している。小島氏は「ドコモとのシナジー(相乗効果)をしっかり出していきたい」として、ドコモが注力する法人向けマーケティング事業との連携などにも意欲を示した。

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