「GDS2024世界デジタルサミット」で講演するパナソニックコネクトの樋口泰行CEO(1日、東京都千代田区)

パナソニックホールディングス(HD)傘下のパナソニックコネクトの樋口泰行最高経営責任者(CEO)は1日、「GDS2024世界デジタルサミット」(主催:日本経済新聞社)で講演した。「人手不足などの社会課題を(現実世界と仮想空間を融合させる仕組みである)サイバーフィジカルで解決できる」と強調した。

アジアの新興国がハードウエア領域で台頭していると指摘し、同社では差別化が難しい同領域の製品は収束・撤退していると説明。ソフトウエア領域に注力するとして、2021年に人工知能(AI)による需要予測をもとに顧客企業のサプライチェーン(供給網)を改善する米ブルーヨンダーを買収した。

4月からトラック運転手の残業規制が強化され、人手不足にさらなる拍車がかかり、物流業界は作業の効率化が一層求められている。

パナソニックコネクトがAI技術やロボットを活用し、トラックの荷待ち時間を半減する技術を開発した事例を紹介した。「人とロボットの協働を前提とした作業計画を作り、指示を出すのがカギだ」と強調した。

その上で、「色々なサプライヤー、輸送事業者とデータをやり取りすることができれば、もっと効率が上がる。企業を超えて最適化しようというのが米国では当たり前の概念になってきている」と指摘した。

そこで、パナソニックコネクトは3月、米ブルーヨンダーを通じて、供給網データ管理の米ワンネットワークを買収すると発表。両社のシステムを組み合わせ、「1つの企業の中だけではなく、企業間を超えた最適化を実現し、供給網のソフトウエアのビジネスを進めていく」と強調した。

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