24年4〜6月期決算を発表したバークレイズ㊨とウニクレディト

【ロンドン=大西康平】欧州銀大手6行が1日までに発表した2024年4〜6月期決算は、合計の純金利収入が前年同期比で11四半期ぶりに減った。中央銀行の政策金利の据え置きが長期化した影響で、利ざやの縮小が鮮明となっている。

6行の純金利収入(BNPパリバは商業銀行部門の総収益)は1%減の386億1300万ドル(約5兆8000億円)となった。減少するのは、新型コロナウイルスの感染拡大に対応した金融緩和が続いた21年7〜9月期以来となる。

利上げ局面で先行した貸出金利の上昇を追う形で、預金金利の引き上げ圧力が強まることで利ざやが縮小している。英イングランド銀行は6月まで7会合連続で政策金利を据え置いた。欧州中央銀行(ECB)は5会合連続で据え置き、6月に利下げした。

ドイツ銀行の純金利収入は16%減の30億2300万ユーロ(約4900億円)となった。利ざやは1.2%と、前年同期の1.5%から低下した。英HSBCホールディングスのノエル・クイン最高経営責任者(CEO)は「インフレ率の低下で中央銀行は利下げに踏み切っている。世界の事業環境を左右する要因だ」とコメントする。

24年4〜6月の6行の純利益は合計で3%増の178億4000万ドルとなった。株式取引やアドバイザリーなどの投資銀行部門が好調で、純手数料収入は12%増の226億4300万ドルと伸びた。

1日発表した英バークレイズの純利益は7%減の12億3700万ポンド(約2400億円)となった。スペインのサンタンデール銀行と伊ウニクレディト、仏BNPパリバは増益、英HSBCホールディングスは減益、ドイツ銀行は最終赤字だった。

欧州景気の停滞も懸念材料となっている。ECBの7月の銀行貸し出し調査では、企業の融資需要を示す指数は7四半期連続でマイナスが続く。

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