レーザーテックは5日、海外空売り投資家による同社の不正会計の疑いを指摘するリポートを受けた特別調査委員会の調査結果を公表した。棚卸し資産の状況や経営陣への聞き取りに加えて関連資料を精査した結果、会計処理に不正は認められなかったと結論づけた。
調査はレーザーテクの社外取締役2人と外部専門家1人で構成する特別調査委を通じて6月18日から8月5日にかけて実施した。半導体製造装置の仕掛品と関連資料について照合し仕掛品の実在性を中心に調査を実施。棚卸し資産が適切に管理され在庫数量に虚偽がないか確認する「棚卸立会」や物流担当者や経営陣へのインタビューなどから不正会計の有無を調べた。
調査結果として資産性に疑義を生じさせる仕掛品はなかったとして「不正は認められなかった」(特別調査委)とした。レーザーテクは調査結果を受けて「調査報告は当社の見解に沿った内容だ。投資家に不正会計がなかったと説明できてよかった」とコメントした。
同社を巡っては、6月上旬にスコーピオン・キャピタルがレーザーテクの不正会計を疑うリポートを公表。リポートでは棚卸し資産の会計処理で完成品を意図的に計上しなかったり棚卸し資産高が膨らんでいたりするなどと指摘していた。リポートに対してレーザーテクは「適切な会計処理を実施している」と反論し、半導体装置の製品別の売上高や受注高を開示していた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。