ニューヨーク証券取引所などが集まる金融街ウォールストリート=米ニューヨーク市で2022年12月、大久保渉撮影

 週明け5日のニューヨーク(NY)株式市場でダウ工業株30種平均が大幅に続落した。2日終値に比べた下げ幅は一時1200ドルを超えた。米経済の減速懸念が強まり幅広い銘柄が売り込まれた。東京、アジア、欧州に続き世界同時株安の様相を呈している。

 5日の東京市場で日経平均株価が4000円を超える過去最大の下げ幅を記録。NY市場もこの流れを引き継ぎ、ダウ平均は600ドル超安で取引を開始した。その後、下げ幅を拡大し、一時3万9000ドルの大台を割り込んだ。ハイテク株主体のナスダック総合指数も大幅安となっている。

 2日発表の7月の米雇用統計で失業率が4・3%と予想以上に悪化していたことに市場は動揺。米経済の減速懸念が強まり、同日のダウ平均は一時1000ドル近く値を下げた。週明けも東京など各国の市場に株安の流れが連鎖した。

 市場では米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが遅れ、米経済が急激に悪化するのではないかとの不安が出ている。パニック状態となった市場を落ち着かせるため、「FRBは次回9月を待たずに緊急会合を開いて利下げを実施すべきだ」(米銀アナリスト)との声も浮上している。【ワシントン大久保渉】

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