アスエネは二酸化炭素排出量の算定サービスを手掛ける

二酸化炭素(CO2)排出量の算定サービスを手掛けるアスエネ(東京・港)は、非財務データの信頼性を担保する第三者保証を手掛ける新会社を立ち上げた。アスエネグループでCO2の算定から第三者保証までワンストップで企業の脱炭素を支援する。8日に発表した第三者割当増資による調達資金約8億円などを活用する。

新会社名は「アスエネヴェリタス」(東京・港)。アスエネが100%出資する子会社となる。企業の会計監査などを手掛けるコロケット(東京・文京)の第三者保証事業を買収して立ち上げた形だ。アスエネのM&A(合併・買収)は初めて。

アスエネヴェリタスは顧客企業のCO2算定ルールやデータ収集方法などを検証する。どのような基準やプロセスで算定したかをもとにデータの信頼性を評価する。顧客企業は開示したCO2排出量データの信頼性を確保できれば投資を得やすくなる。アスエネの算定サービスと連携させることで従来の監査コストを2〜3割減らせる見込みだ。

脱炭素に向けて非財務データの第三者保証ニーズは高まっている。環境NGO(非政府組織)の英CDPの2023年の気候変動リポートによると、調査に回答した東証プライム企業など日本企業の約40%が自社の企業活動に伴うCO2排出量「スコープ1・2」に対して第三者保証を実施した。

金融庁は現在、CO2排出量などサステナビリティー情報の開示や第三者保証を求めるルールづくりに向けた議論を進めている。

アスエネヴェリタスはアスエネのCO2算定サービスを導入する9000社を中心にCO2排出量など非財務データの第三者保証ニーズを取り込む。25年中にCO2算定ソフトに人工知能(AI)を活用し、第三者保証に必要なデータの漏れを防ぐ機能も投入する。

調達資金約8億円の第三者割当増資は日本生命保険や国内発電最大手のJERA、脱炭素化支援機構(JICN)などが引き受けた。アスエネは日本生命やJERAと業務提携も結び、取引先などに対する脱炭素関連ビジネスで連携を目指す。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。