モスフードサービスは、ドリンク専門店を開業した(東京都豊島区)

モスフードサービスは8日、規格外の野菜や果物を一部使った新業態のドリンク専門店を始めると発表した。契約農家や自社の農場から傷が付いたり変色したりした食材を調達する。出店にかかる投資額は通常店の3分の1に抑え、5年で100店舗体制にする。SDGs(持続可能な開発目標)への関心の高い消費者の需要を取り込む。

ドリンク専門店「Stand by Mos(スタンドバイモス)」を9日、東武東上線の池袋駅(東京・豊島)の改札内でオープンする。年間の売上高は6000万円を目指す。全国に7つある自社農場と約2400の契約農家から仕入れた規格外の野菜を使い、年間で4.6トンの食品ロスの削減につなげる。

主力の「しっかりトマトなモストマトジュース」(420円)は傷などがついた規格外のトマト180グラムを使用する。砂糖などの味付けはなく、成人が1日に必要な野菜摂取量の2分の1を摂取できる。「こっくりスイートなモスバナナミルクスムージー」(500円)は、折れたり色が変化したりした廃棄予定のバナナを使う。

1店舗あたりの出店投資額は通常店舗の3分の1に抑えた。モスバーガーでは、厨房スペースを設けるため、通常店舗は25〜30坪が必要だった。新店舗の設備は材料やミキサーなどで済むため、5坪ほどの狭小スペースでも出店できる。

今後は駅ナカなどの人が多く集まる立地を中心に出店を広げ、5年で100店舗体制を目指す。顧客から好評だった商品はモスバーガーの店舗でも販売する予定だ。同日の説明会に登壇した金田泰明執行役員は「29年間続く国内独自の農家のサプライチェーン(供給網)を活用する。おいしい野菜を楽しんでもらいたい」と話す。

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