小林製薬は8日、未定としていた2024年12月期の通期業績予想について、純利益が前期比41%減の121億円、売上高が3%減の1690億円になる見通しだと発表した。製品回収などにかかる費用として40億円の特別損失を4〜6月期に計上した。あわせて紅麹(こうじ)原料を含むサプリメントの健康被害問題を受けて、紅麹事業からの撤退も表明した。
特別損失は製品回収関連損失として40億7700万円、製造設備の減損損失として400万円を新たに計上した。「追加計上する可能性もある」(小林製薬)としており、対応にかかる費用は今後も膨らむ見通しだ。
同日発表した24年1〜6月期の連結決算は純利益が前年同期比82%減の14億円、売上高は1%減の731億円だった。
紅麹関連製品の製造販売事業から撤退することも同時に発表した。撤退を完了する時期は未定としている。事業撤退の業績に与える影響は軽微とした。
サプリ摂取で健康被害を受けた人への補償を始めると発表した。8月19日から「紅麹関連製品お客様対応センター」で電話で受け付ける。電話番号は0120・663・272で、受付時間は土日祝日を含む午前9時から午後9時まで。医師の診断書の内容などから、対象製品の摂取と腎関連疾患などの症状に因果関係が認められる人を対象に補償する。医療費や慰謝料を支払い、症状による休業についても補償する。
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