有機ELディスプレー製造に使う「メタルマスク」が伸びた。

大日本印刷が8日発表した2024年4〜6月期の連結決算は、純利益が前年同期比9%増の632億円だった。四半期の純利益としては、四半期ベースでの業績開示を始めた2003年4〜6月期以降で最高となった。有機ELディスプレー製造に使う部材がスマートフォン向けに伸びた。政策保有株式や物流施設の売却益も利益を押し上げた。

同日、株式分割を実施すると発表した。9月30日を基準日として1株を2株に分ける。新たな少額投資非課税制度(NISA)で個人の投資意欲が高まるなか、最低投資金額を引き下げて投資家層の拡大と株式の流動性向上を狙う。

4〜6月期の売上高は3%増の3566億円、営業利益は39%増の184億円だった。エレクトロニクス部門の営業利益は136億円と10%増えた。有機ELディスプレーの製造に使う部材「メタルマスク」の販売が増えた。テレビパネルの反射を抑える光学フィルムもテレビの大型化に伴って伸びた。

ライフ&ヘルスケア部門の営業利益は3.1倍の47億円だった。包装材のスナックや日用品関連の受注が好調だった。値上げが進み原材料コスト上昇の影響を吸収した。設備や人員の縮小などの構造改革も寄与した。

25年3月期通期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比2%増の1兆4550億円、純利益は19%減の900億円を見込んでいる。

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