能登半島地震による土砂崩れで寸断された石川県珠洲市の国道249号(1月)=共同

気象庁は南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を初めて発表しました。災害が起きれば企業活動が長期間止まりかねず、事業継続計画(BCP)の策定が欠かせません。ただ規模の小さい事業所では策定が追い付かないケースもあります。能登半島地震を経てBCPを見直したケースなど、参考になる記事を選びました。(内容や肩書などは掲載当時のものです)

BCP策定率、中小で低く

BCPは事業継続計画の英語「Business Continuity Plan」の略称です。地震などの自然災害、感染症、テロ、サイバー攻撃などが起きた際、事業を継続するために事前に定める計画のことを指します。

民間調査では、小規模企業や中小企業でのBCP策定率が5割を割るケースもあります。

  • ・新潟県内企業、BCP策定意向49.6%に上昇 民間調べ
  • ・災害時などの事業継続計画、策定率23% 東京都内企業
  • ・北関東企業のBCP策定意向、5割下回る 民間調べ

能登地震でBCP見直し

アルミサッシ大手の三協立山は1月1日の能登地震を受け、BCPを見直す考えを示しました。東日本大震災後に震度6強を前提としたBCPをつくりましたが、能登地震では震度が想定内でも予想しなかった被害が出たそうです。

平能正三社長は日本経済新聞の取材に、「BCPはさらに細分化し、停止した設備を個別に復旧させるプロセスを決めたり、組織の役割分担を具体的に示したりすることを考えたい」と答えています。

  • ・能登地震「金型落下にぞっと、BCP更新」三協立山社長
  • ・村田製作所、被災しても5日以内に出荷再開 BCP強化
  • ・スズキ協の所氏、南海トラフ地震へ「BCPで復旧備えを」
  • ・薬の供給網に東日本大震災の教訓 第一三共などBCP刷新
  • ・震災の教訓は能登で生きたか 「回復力」伴う防災めざせ
  • ・BCPにもダイバーシティー 東日本大震災の経験生かす

感染症からサイバーまで策定支援も

新型コロナウイルス禍では製造業のサプライチェーン(供給網)から飲食業、旅行業など幅広い業種に影響が出ました。最近では、KADOKAWAが大規模なサイバー攻撃を受けて、子会社のドワンゴが手掛ける動画共有サービス「ニコニコ動画」がサービスを停止する自体に追い込まれました。

地震などの自然災害だけでなく、企業は様々なリスクを想定してBCPを策定することが求められています。策定支援に力を入れる企業も少なくありません。

  • ・ベネフィットワン、企業の感染症対策支援 BCP策定から
  • ・デジタルデータソリューション、IT基盤のBCP策定支援
  • ・三井不動産、災害対応技術を他社に提供 地域防災を向上
  • ・「安保コンサル」が活況 企業、有事対応の相談増加
  • ・日本公庫と東邦銀行、協調融資でBCP策定後押し

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