オリックスは傘下の再生可能エネルギー企業を通じて、スペインの水力発電事業を手掛ける企業を買収すると発表した。買収額は2億8700万ユーロ(約460億円)で、年内に全株式を取得する。欧州では発電量に対する再生エネの比率が高まっており、比較的天候に左右されず安定して発電できる水力の価値が見直されている。
買収するのはアクシオナ・サルトス(ASA社)。2022年度に完全子会社化したスペインのエラワンエナジーを通じて、同国再生エネ大手のアクシオナ・エネルギア社から株式を取得する。ASA社はスペインで23カ所の水力発電を運用しており、発電容量は計175メガ(メガは100万)ワットに達する。
欧州では再生エネの比率が急速に高まった結果、需給が乱れ市場での取引価格がマイナスになる事例が増えている。天候の変化で事前に立てた発電計画とのズレが生じるためで、スペインでは4月に初めてマイナス価格を記録した。水力は貯水池で流れる水の量を調整することで、市場価格に合わせて発電量を調整できる特徴がある。
オリックスは2030年3月期までに稼働中の再生エネ設備容量を足元の約2倍に当たる10ギガ(ギガは10億)ワットに拡大させる目標を掲げる。国内では主力の太陽光発電で開発可能な土地が減るなか、エラワンなどを通じた海外の再生エネの開発に注力する。
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