野菜など店頭価格の上昇が売上高を押し上げた

日本チェーンストア協会(東京・港)が23日発表した3月の全国スーパー売上高(既存店ベース)は前年同月比9.3%増となり、13カ月連続で前年同月を上回った。野菜などの価格が上昇し、2014年3月以来の高い伸び率となった。前年より土日が1日ずつ多かったことも影響した。

3月の全店ベースの総売上高は1兆2216億円だった。売上高の7割を占める食料品は11.7%増。農産品など食料品の店頭価格が上昇した。畜産品では豚肉と鶏肉の販売が好調だったが、単価の高い牛肉は買い控えの傾向が続いている。

衣料品は3.3%減だった。気温が低い日が多く、春物衣料の販売が伸び悩んだ。住関連品は7.4%増だった。ランドセルやトラベルバッグなどの販売が好調だった一方、専門店に顧客が流れた影響もあり冷蔵庫など家電製品は苦戦した。

3月は一部スーパーで買い上げ点数の減少に歯止めがかかったが、同協会の牧野剛専務理事は「消費者の経済環境が大きく変わっているわけではなく、今後点数が増えていくかは不透明だ」と指摘する。

同日発表した23年度のスーパー売上高は、既存店ベースで前年度比3.7%増と4年連続のプラスだった。総販売額は13兆7276億円だった。店頭価格の上昇が、節約志向による買い上げ点数の減少を補った。

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