東京メトロ株は国が53.4%、都が残りの46.6%を保有する

東京地下鉄(東京メトロ)の株主である国と東京都が、10月下旬にも東京証券取引所への上場に向けて準備していることが関係者への取材でわかった。時価総額は6400億〜7000億円規模を見込み今後、公募価格などを決めていくと見られる。

東京メトロは「上場については国と東京都の間で決定されるもの。当社としてはコメントを差し控えさせていただく」とした。

東京メトロ株は国が53.4%、都が残りの46.6%を保有する。復興財源確保法は、2027年度までに確保した売却収入を復興債の償還費用に充てると定める。

国と東京都は両者の持ち分を最終的に計50%まで減らす。東京メトロの純資産約6674億円を企業価値とした場合、単純計算で3337億円分が売却される。財務省は政府の売却分は1781億円程度と見込む。

仮に東京メトロの上場時の時価総額が6000億円超となれば、23年最大の新規株式公開(IPO)だった半導体製造装置のKOKUSAI ELECTRIC(4200億円)を上回る。18年のソフトバンク(7兆1800億円)以来の大型案件になる可能性がある。

足元の時価総額で比べると、京成電鉄(7360億円)や近鉄グループホールディングス(6284億円)と肩を並べる規模だ。

売却は財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が22年3月に答申した方法に基づき進める。政府と都それぞれが所有株を同時期に同率で売却し、50%を売却する方向だ。

直近の24年4〜6月期の連結決算は売上高にあたる営業収益が前年同期比6%増の1019億円、営業利益は同34%増の290億円、純利益は同38%増の180億円だった。旅客需要の増加で運輸収入が伸び、増収増益だった。

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