三菱ふそうトラック・バスは21日、車両製造に欠かせない部品の供給網(サプライチェーン)の状況をデジタル上で一元管理するプロジェクト「サプライチェーンコントロールタワー」(SCCT)を始めたと発表した。部品会社の在庫や輸送状況を可視化して把握しやすくし、年間数億円の在庫管理コストの削減につなげる。
ここ最近、新型コロナウイルスの流行や半導体不足、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での商船攻撃などが起こり、サプライチェーンを巡るリスクを管理する重要性が高まっている。自社で開発した専用システムを活用し、トラックやバスの製造に必要な10万点以上の部品を管理する。
特に海外の部品会社から日本に船で輸送される部品については、これまで港湾の混雑状況や税関手続きなどで自社工場への到着が大幅に遅れ、生産に影響を及ぼすことがあった。輸送船の入港や工場への到着時刻をリアルタイムで把握し、生産効率の向上を目指す。
まずは輸入部品を対象にシステムを運用し、将来的には国内の部品会社にも範囲を拡大する。部品の状況を「見える化」することで生産体制を安定させ、コロナ禍以降の課題となっていた車両納期の長期化の解決にもつなげる。
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