株価の下落など問題が続く中でネスレはCEOの交代に踏み切る=ロイター

【ロンドン=湯前宗太郎】スイスの食品大手のネスレは22日、マーク・シュナイダー最高経営責任者(CEO)が退任する人事を発表した。株価の下落が続いていることに加え、7月には2024年12月期の業績目標を下方修正するなど、成長の鈍化が理由にあるとみられる。新CEOには中南米を統括するローラン・フレイシェ氏が9月1日付で就く。

シュナイダー氏はネスレのCEOに就任した17年以降、ペットフードやコーヒーなどの分野を伸ばすことで高成長を実現した。21年12月期の純利益は169億スイスフラン(約2兆9000億円)と、就任初年度の17年12月期に比べ、約2.4倍の水準まで引き上げた。

だが、近年は業績が伸び悩むようになっていた。7月には今期の売上高のオーガニック成長率(合併・買収などを含まない内部成長率)を、当初の約4%から最大3%に下方修正した。

さらにフランスでミネラルウオーターを巡り、違法な処理工程を施していたことが明るみに出るなど、様々な問題も起きていた。直近1年で同社の株価は10%以上下落しており、立て直しへ向けてCEO交代に踏み切る。

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