23日の東京株式市場で清水建設株は一時5%高となった

23日の東京株式市場で清水建設株が一時、前日比47円5銭(5%)高の976円まで上昇した。5月中旬以来、3カ月ぶりの高値をつけた。国内大手証券による目標株価の引き上げが材料視され、工事の採算改善を期待する買いが集まった。

終値は43円80銭(5%)高の972円30銭だった。売買代金は前日の2.4倍に膨らんだ。

22日付で野村証券が目標株価を従来の940円から960円に引き上げた。浜川友吾リサーチアナリストは「建築事業で2024年7〜9月期以降、繰り越し工事の進捗により減収幅の縮小や粗利率(売上高総利益率)の緩やかな改善が続く」と指摘する。25年3月期の建築事業(単体ベース)の粗利率の予想を6%と従来から0.4ポイント引き上げた。

24年4〜6月期の同事業(単体ベース)の売上高は前年同期比2割強減り、粗利率は5.3%だった。ただ、主力の国内建築事業の粗利率は6.2%と0.3ポイント上昇しており、中小型案件の採算が改善しつつある。

年初来の株価上昇率は4%にとどまり、同業の大林組(53%)や大成建設(37%)に比べ出遅れ感がある。アイザワ証券の三井郁男投資顧問部ファンドマネージャーは「収益性を重視した受注の定着が確認できれば、次第に株価の下値は切り上がるだろう」とみていた。

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