今月22日の時点では、平年と比べて
▽じゃがいもが68%
▽大根が38%、高くなっているほか

夏野菜は
▽ピーマンが17%
▽なすが15%
▽トマトが11%
▽きゅうりが5% それぞれ高くなっています。

農林水産省は「7月以降の高温や天候不順の影響で平年より高値になる野菜もあったが、足もとではやや落ち着いてきている。今後の天候が野菜の価格にどう影響するか、注視している」としています。

埼玉 越谷市のスーパー「価格を上げざるをえない」

埼玉県越谷市のスーパーでも猛暑やこのところの天候不良の影響などで、今月23日の時点で、きゅうりや枝豆、ゴーヤ、それにトウモロコシといった夏野菜の仕入れ値が去年の同じ時期と比べて1.3倍から1.5倍に、トマトはおよそ2倍になっているということです。

また、きゅうりやゴーヤは輸送中に暑さの影響で熟しすぎて黄色くなってしまい、売り物にならないものが多いときで2割ほど含まれているということです。

「激安」を売りにしているというこのスーパーでは、複数の卸売業者と定期的に価格交渉を行うことで、ほかの店よりも安く販売できるよう工夫しているものの、店頭での価格を上げざるを得ず、トマトや枝豆は去年より1.75倍ほど、ゴーヤとトウモロコシはそれぞれ1.5倍ほど、きゅうりは1.3倍ほどの値段で販売しているということです。

店を訪れた50代の主婦は「トマトやきゅうりなど、いつもの夏は安いものがちょっと高い感じがします。野菜は欠かせないので、その日のお買い得なものを買うようにしています」と話していました。

スーパーマルサン越谷花田店の八木栄樹店長は「仕入れ値がこれだけ上がっていると、さすがに販売する価格も上げざるをえない。お客さんには心苦しいが、他の店よりは安く提供できるよう頑張っていきたい」と話していました。

レストラン メニュー価格変えない工夫とは?

夏野菜の価格が高騰する中、サラダバーが人気のさいたま市のレストランでは、独自の工夫をこらしてランチの提供を続けています。

さいたま市浦和区にあるレストランでは、ランチタイムに12種類の野菜をメインにしたサラダバーや、野菜をふんだんに使ったカレーや煮込み料理などを提供しています。

仕入れはほぼ毎日行っていますが、夏野菜の仕入れ値が去年と比べて高くなっていて、きゅうりが2倍近く、トマトは1.2倍ほどとなっているほか、レタスも1.3倍ほどになっているということです。

新鮮な野菜をたくさん食べられるとサラダバーを目当てに訪れる客も多いことから、店ではさまざまな工夫をこらしてメニューの価格を変えずに対応しています。

例えば、レタスの量を減らしてケールといったふわっとして葉がつぶれにくく、盛りつけると見栄えがよい野菜の量を増やしたり、高値が続く生のトマトに代えて価格の安定しているトマト缶を使って煮込んだ豆を提供しているということです。

一方でキュウリは、ざくざくとした食感を楽しんでほしいと、まとめて購入し価格を抑えることで提供を続けているということです。

店を訪れた30代の会社員の女性は「野菜がいっぱいでおいしいです。スーパーで買うと高いので、ランチでこうしてたくさん食べられるとお得感があってうれしいです」と話していました。

ワイン食堂Salad-Leafの保科貴晋店長は「野菜をたくさん食べて、健康になってもらおうという思いで営業しているので、価格が安定しているものをうまく取り入れながら、野菜料理の提供を続けたい」と話していました。

専門家 価格高騰の要因と今後の見通しは

農作物の流通などに詳しい日本総合研究所の三輪泰史チーフスペシャリストに、野菜の値段が上がっていることについて要因と今後の見通しを聞きました。

全国的な高温や大雨の影響で収穫量が減少しているものが多くあり、価格の高騰につながっているということです。

夏野菜では、特に実ができる果菜類が値上がりしていてきゅうりやトマト、ピーマンも例年に比べると高いということです。

野菜の今後の見通しについて三輪さんは「市場の関係者などからは、9月になると価格が落ち着くのではないかという声も聞かれています。ただ今後、台風の影響が出ないかどうかを注意して見ています。もやしやとうみょうなど天候の影響をうけづらい野菜や比較的値段が安い冷凍の野菜を活用することも選択肢になると思います」と話していました。

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