日本原子力産業協会のまとめやNHKの取材によりますと、2014年からことし8月までの10年間で、世界で新たに運転を開始した原発の数は合わせて70基で、このうち最も多いのは中国の38基で全体の半数以上を占め、次いでロシアが9基、韓国が5基、インドとパキスタンがそれぞれ4基となっていて、G7以外の国が全体の8割以上を占めていることがわかりました。

また、発電可能な世界の原発の数は436基、発電能力の合計はおよそ4億1600万キロワットとなり、6年ぶりに過去最高を更新したということです。

中国では火力発電が発電量全体の7割を占めているものの、脱炭素に向けて原発の新規建設を急速に進めているほか、ロシアも欧米から経済制裁を受ける中、トルコやインドなどに原発を輸出するなど国際展開を進めていて、中国とロシアが原発の増加をけん引する形になっています。

日本原子力産業協会は「2011年の東京電力福島第一原発の事故を受けて原発の導入は一時世界的に停滞したものの、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の緊迫化、それに昨今の温暖化による酷暑などの影響もあって、安定した電力への需要は高まっている。AIの研究開発もさらに加速するとみられ、今後とも、世界全体で原発の需要は高まっていくとみられる」としています。

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